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「PK」 [映画]

第9回したまちコメディ映画祭in台東
「PK」
9/18(日)
上野恩賜公園 不忍池水上音楽堂


考えてみたら、今年に入ってから一本も映画を観ていなかった。
もう9月もなかばだというのに。いったい何してたんだろ。

というわけで、
友人(映画評論家)に誘われて久しぶりに観た映画はインド映画だ。
ひところのインド映画といえば、大人数のダンスシーンや
大げさなラブシーンが必ず出てくる、つくりが粗い作品が多かったが、
昨今のボリウッドは、だいぶ様子が変わってきたようだ。
脚本が緻密に練られ、ていねいにつくられた良作も多いとのこと。
今作は、スマッシュヒット作となった「きっと、うまくいく」の
監督と主演俳優のコンビネーション作の第2弾である。


宇宙からインドに降り立った青年は、
宇宙船を呼ぶためのリモコンを盗まれ、帰れなくなってしまった。
リモコンを取り返すためにはどうすればいいか?
人に尋ねたり自分で考えたりした結果、
神様に願えばかなうのではないかという思いに至る。
そしてあらゆる神様にお願いをするのだが、
願いがかなえられる気配はまったくない。
人々のすることにいちいち疑問を投げかける青年は
変人扱いされ、“PK”(酔っ払い)と呼ばれる。
そんなPKは、宗教の矛盾や人々のウソに
直球で切り込んでいき、それを面白く感じた
テレビ局の番組で、ヒンドゥー教の導師と対決することになる。
はたしてPKは無事に宇宙に帰ることができるのか……?

宗教というセンシティブなテーマを、
これだけのエンタテインメントに仕上げた監督の大胆さに感嘆する。
恋愛あり、ダンスシーンあり、さらには緊迫した社会情勢を
反映した場面もあり、あらゆる要素が盛り込まれているが、
トゥーマッチ感があまりないのは、中心に一貫したテーマが
どっしり据えられているからだろう。
しかしなんといっても、独特かつ愛嬌たっぷりの
PKのキャラクターが効いている。

PKが行く先々でかかわる人々との会話は
子供が大人の社会に投げかける疑問のように純粋で、
だからこそ大きな波紋を呼ぶのだが、それをきっかけに
さまざまな矛盾に気づく人々のリアクションもまた面白い。

壮大なスケールで始まったときは着地点がまったく見えなかったが、
最後にきれいに収まるストーリー展開が見事。
スカッと笑えて、最後にはホロリとさせる。
PKを好きにならない人はいないだろう、と思わせる
チャーミングな作品だ。

<公式サイト>
http://pk-movie.jp/


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