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DEDICATED2016 ―DEATH― 「ハムレット」 [舞台]

DEDICATED2016 ―DEATH― 「ハムレット」
10/2(日)
KAAT神奈川芸術劇場ホール
出演:首藤康之、中村恩恵、白井晃(声)

年に一度はバレエの舞台を観たい。
本当はもっと観たいけれど、チケットがそれほどお安くないので、
絞り込まざるを得ない。
というわけで、ことしの一本。
首藤さんの舞台を観るのは、
2008年の「空白に落ちた男」以来になる。
(リンクは本ブログ内の記事)

どちらかといえばクラシックよりもコンテンポラリーが好きで、
これまで、ベジャールやネザーランドダンスシアターをよく観に行った。
コンテンポラリーはなんでもありのため、
次に何が出てくるかわからないところが
興味深く、面白みを感じるのだと思う。
さらには、ダンサーたちの身体表現の奥深さ、
型にはまらない動きのバリエーションなどは、
観ていて飽きることがない。

今回の公演は、
シェイクスピアの「ハムレット」を題材に取った。
仕掛けとしては、ハムレット関連の展示をしている
美術館を訪れた青年が、自分に似たハムレットの肖像画を観ることによって
現実と絵の中の世界の境界を飛び越え、異世界に踏み入れるというもの。
そこから、ハムレットの物語が展開していく。

首藤さんのダンスはとてもエモーショナルで、
言葉が聞こえてくるような雄弁な動きから目が離せない。
また、中村さんとの力強く繊細なパ・ド・ドゥのすばらしさは言葉にできないほどだ。
ふたりが呼吸を合わせて心を添わせて織りなす場面を見るにつけ、
胸がつまり、ため息が出てしまう。

なかでも圧巻だったのは、オフィーリアの死に際する場面。
愛する人を失ったハムレットが
全身で泣きながら踊る姿の、なんという切なさ。
死をもって初めて知る愛情の強さに
胸を打たれ、思わず泣けてしまった。

今回の座席は3列目のど真ん中という最高に良い席で、
呼吸の音は聞こえるし、筋肉のこまかい動きまで見えるし、
それはもう、舞台のすべてを鑑賞することができて、大満足だった。

こういう舞台を観ると、
トップに立つダンサーたちの存在に圧倒されるとともに、
無性に踊りたくなったりもするのだった。


<KAATホームページ>
http://www.kaat.jp/





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