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「ジャンゴ 繋がれざる者」  [映画]


「ジャンゴ 繋がれざる者」 (2012)
DJANGO UNCHAINED
アメリカ
2013/03/01公開

監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ
    レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン
サミュエル・L・ジャクソン、ドン・ジョンソン、ローラ・カユーテ


“映画オタク”タランティーノの作品であるからして、
いろいろな仕掛けが施されているのだろうが、
わたしはマカロニウエスタンというジャンルについて
ほとんど知らないし、元ネタ的なものはよくわからない。
その方面に詳しい人ならきっと、いっそう楽しめるのだろうが、
予備知識がほとんどなくても単純に娯楽作品として充分楽しめた。


南北戦争の2年前、暗闇に沈む森の中、
奴隷商人たちの前にひとりの男が突然現れた。
お尋ね者3兄弟の顔を知る奴隷を探しているという。
そして探し当てられたジャンゴは
その男、ドイツ人歯科医キング・シュルツによって自由の身となった。
シュルツは実は賞金稼ぎで、お尋ね者の3兄弟を探していたが、
その道中でジャンゴはシュルツに腕を見込まれ、
賞金稼ぎの相棒として一緒に旅を続けることに。
そんなある日、ジャンゴは奴隷市場で売られた自分の妻
ブルームヒルダを探していると打ち明けた。
彼女の行方を追ってみると、キャンディ・ランドという農園にいることがわかったが、
彼女を取り戻すことはそう簡単にはいきそうにない。
そこで二人は作戦を練り、農園に乗り込んだ……。


黒人差別の歴史を題材にした斬新なストーリー、
スピード感、音楽のセンスなど、どこを切ってもタランティーノ。
あまりにも非情な場面が連続するので苦手な人もいるかもしれないが、
あきれるほどあっさりと人を殺しまくるシーンは、
残酷さを通り越して爽快さを感じさせてくれる。
考えるすきを与えないからか、はたまた善良な人間などほぼ登場しないからか、
こういうものなんだと無理やり納得させられてしまうのだ。

アクション、衣裳、小道具にいたるまで手が込んでいて、
細部までとことんこだわり抜いているところに、
監督の映画へのあふれんばかりの愛を感じる。

キャストも見事にはまっている。
ジャンゴを演じるジェイミー・フォックス、
キング・シュルツを演じるクリストフ・ヴァルツが良いのはもちろんのこと、
極悪非道な農園主を演じるディカプリオがとくに巧い。
若い時の美少年役も良かったが、ある程度年をとった今のほうが
さらに輝きを増しているように思える。
天性の演技力に経験を積んできたゆえの深みと厚み(からだも)が加わり、
時折複雑な表情を見せたりもする。
何よりも、彼自身が演技を、作品自体を楽しんでいるのが伝わってくる。

若干やりすぎ感はあるものの、後味は悪くない。
タランティーノのシニカルな目線が光る、痛快バイオレンス・アクション。
休日や仕事終わり、スカッとしたい気分のときにぴったりだ。


<オフィシャル・サイト>
http://www.sonypictures.jp/movies/djangounchained/
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クリス

タランティーノは好みじゃないといいながら、新作が出ると必ず観てしまう不思議な監督です(笑)
今作は仰るように壮快なほどにバッタバッタと人が殺されて、後味も悪くなかったですね。けど、後に残るものもなかったかも。タランティーノなら、『ジャッキー・ブラウン』はけっこう好きです☆
by クリス (2013-04-08 08:22) 

lucksun

>クリスさん
タランティーノはあまりお好きではないんですね。
私は結構好きで、やっぱりほぼ全作観ていますが、
たしかに他と比べて印象は薄かったかもしれません。
ちょーっと長かったしね(笑)。
『ジャッキー・ブラウン』もいいですよね。
最近の作品より、初期のほうがパワーがあったかも、と思います。
by lucksun (2013-04-10 01:14) 

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