『珈琲時間』 [マンガ]
『珈琲時間』 豊田徹也 作
子どもの頃からマンガは大好きで、
一時期は手当たり次第読んでいたが、
今では、ほとんど決まった作家しか買わなくなった。
ところが先日、本屋を流していたとき、
ふとこの本が目に入って、手に取ってみた。
シンプルなタイトルと、
敬愛する吉田秋生にちょっと似ている絵柄に惹かれて
読んでみたら、これが大当たり。
たまにはジャケ買いもいい。
この本をキャッチした自分の感覚を大いに信じたい。
タイトルどおり、珈琲にまつわるエピソード、
あるいは珈琲を媒介としてつながる人間模様を描く
ショートストーリー集。
珈琲の登場の仕方はまちまちだ。
第1話「Whatever I want」では、
女の子が喫茶店に入ると、
偶然、隣り合わせた男がいきなり珈琲の蘊蓄を語りだす。
と思えば音楽の蘊蓄、さらには建築の……とくるが、
そのどれもがデタラメだらけの穴だらけ。
この男は一体何者?と思わせてラストにつなげるところが巧い。
第2話「カプチーノ・キッド」は、子どもと探偵の話。
探偵に電話で依頼してきたのは、カプチーノを好む男の子。
とにかく生意気な子どもなのだが、どこかしら純粋で憎めない。
探偵も、おそらく同じ気持ちで子どもを見ているだろう、
その様子は、親子のようにも見えてほほ笑ましい。
……といった具合に、登場人物もシチュエーションも
違う17話が収録されている。
独立した小話は関連がないように見えるが
時折、何度も登場する人物がいたり、同じ店が登場したり、
全体がゆるくつながっている。
その関わりを発見するのもなかなか楽しい。
それぞれの物語は、さながら
一杯ずつ豆の異なる珈琲を味わうかのよう。
ローストも時にはストロング、フレンチ、あるいはアメリカン。
さらには、ブレンドのようなストーリーもあるといった具合。
そして、すべての物語において、
苦さの先にある甘さやコクを感じられる。
いわば、日々を生きることに似ているのかもしれない。
コマ割り、せりふ、書きすぎずにあっさり引くエンディング、
そのすべてにセンスの高さがうかがえる。
馥郁とした香りが漂ってくるような、大人のマンガである。
ていねいに落とした珈琲を飲みながら、じっくり味わう価値がある。
おお~!
なんだか絶対好きな絵だ!
吉田秋生お好きなんですね!
ワタシも大ファンです。
バナナフィッシュの最終巻なんて、何度読んでも涙が・・
映画化したら、キャストは・・とかよく妄想していました。
いや、絶対して欲しくないな・・
これはチェックせねばなりません。
ありがとう^^
by bluebird (2010-01-20 17:29)
>bluebirdさん
吉田秋生、お好きですか! うれしいなあ。
わたしも「BANANA FISH」で知って、それ以来
ほぼ全作品そろえて読んでます。
中でもやっぱり「BANANA FISH」は何度読んだかわからない。
そして、何度読んでも泣ける……。
当時は映像化するならリバー・フェニックス、とよくいわれましたね。
わたしはリバーも大好きだったんで、
それも観たいと思ってたんですが、かなわなくなってしまったな……。
このマンガ、絵柄だけでなくストーリーも
吉田さんの作風になんとなく似てます。
日常にひそむドラマをウエットになることなくさらっと描いていて、
どことなく文学的です。ぜひチェックしてみてくださーい。
by lucksun (2010-01-21 00:54)
アッシュは、間違いなくリバーですね・・
だから、もう無理です。
吉祥天女も物凄く好きで。
映画化したら、がっかりでした。
主演が鈴木杏なんですもの・・
by bluebird (2010-01-21 10:58)
>bluebirdさん
吉祥天女、ご覧になりましたか。
がっかりする予感がするので見なかったんですが、
うーむ、やはり、か……。
杏ちゃんは嫌いじゃないんだけど、イメージじゃないですよね。
by lucksun (2010-01-22 01:19)
>xml_xslさん nice!ありがとうございます♪
>+kさん nice!ありがとうございます♪
by lucksun (2010-01-22 01:20)
>snoritaさん nice!ありがとうございます♪
by lucksun (2010-01-28 00:46)