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雑誌の行く末 [メディア]


年末だ。
毎度思うことだが今年は特に、
年明けから今までの時間が速かった。

ビュン!

超特急だよ。
いろんな人との出会いがあって、いろんな別れもあった。
そんなことをつらつら考える12月末。


今年の出来事のうち、もっとも印象に残ったのは景気の悪さだ。
原油高、家庭用品や日用品の値上げなどに始まり、
景気に関連した報道は連日、相次いだ。
不穏な空気は、徐々に身近なところまで迫ってくる。

特にそう感じたのは、長年つづいている
雑誌の休刊・廃刊が相次いだことだった。
『月刊 プレイボーイ』(集英社)、『ロードショー』(集英社)、
『BOAO』(マガジンハウス)、『論座』(朝日新聞出版)、
『主婦の友』(主婦の友社)などなど、その数とても書ききれない。

そんななか衝撃を受けたのは、
『本の雑誌』(2009年1月号)に掲載されている「今月のお話」だった。
本誌を立ち上げた椎名誠が、自らの編集長の系譜をつづっている。
それは、椎名氏の雑誌に対する思いの深さを表すとともに、
どこか昔を懐かしむふうでもあった。
そして締めくくりには、
2008年になって『本の雑誌』の経営状態が急に悪化したこと、
「休刊」に追い込まれるかもしれない危機的状況を乗り越えて、
もう少し頑張って出していこうとスタッフ全員で決意したことを書いている。
それを読んで、『本の雑誌』もそんな状況になっていたのか、
と驚くと同時に、この雑誌がなくなっては困るのだっ、と切実に感じた。

今わたしが毎月きちんと読んでいる雑誌は、本誌のみである。
正直言って、やはり以前と比べると雑誌を買う機会は激減した。
それでも良質のブックガイドを届けてくれる
『本の雑誌』だけは、毎月欠かせない。
だからこれからも、きっちり読む。
活字文化は、ただの情報源じゃないから、
そのオブジェクト自体に、いろんなものが凝縮されたメディアだから、
単なる読者としても、出版業界に従事する者としても、
『本の雑誌』に限らず、雑誌文化自体を守っていきたいと思う。

2009年、雑誌業界はどうなるんだろう。
あまり希望はもてないような気もするが、
失望することなく、維持するための努力をしていきたい。

というわけで、『本の雑誌』の宣伝をするよ。

今月号の特集は、
「本の雑誌が選ぶ2008年度ベスト10」。
ランキングの決め方は、他の雑誌とは一線を画す。
本の雑誌社の人々が座談会をしながら
決めていくという、なんともゆるいものだが、笑えること確実だ。
さらには、本屋大賞を受賞した伊坂幸太郎が
副賞の図書カード10万円分で買った本、
連載陣が一新した「新刊めったくたガイド」、
映画にまつわるエピソードを絵と文章でつづる
「和田誠・気まぐれ劇場」などなど、読み応え充分。
本が好きな方には、楽しんでもらえると思います。
ぜひ読んでみてください。

<参考>
WEB本の雑誌

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コメント 5

lucksun

>takanobuさん、こちらにもnice!ありがとうございます♪
by lucksun (2008-12-28 02:02) 

bluebird

今年は、お陰で読書量が増えましたよ(笑)
というか、昔に戻ったのかな?
また、刺激してください(笑)

良いお年を!
by bluebird (2008-12-30 23:54) 

lucksun

>bluebirdさん
すっかり年があけてしまいました……。
昨年は、bluebirdさんのブログでいろいろと楽しませていただきました。
ありがとうございます~~。
今年もいろんなものを吸収して、
みなさんに楽しんでいただける情報をお届けしたいと思っています。
今年もどうぞよろしく♪

by lucksun (2009-01-04 00:28) 

桂花

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします♪

『本の雑誌』純粋に・・楽しそうです・・・。
こうしてまた、lucksunさんのブログから情報収集。。(笑)
時間を見つけてぜひ読んでみたいデス♪
by 桂花 (2009-01-05 23:46) 

lucksun

>桂花さん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします♪
『本の雑誌』、わたしは読み始めてから20年くらい
たつのですが、まだ知らない人もやっぱり多いようですね。
本の情報といっても、ちっとも堅苦しくなくて気軽に読めますよ。
そうそう、高野秀行さんの連載もありますから、ぜひどうぞ☆
by lucksun (2009-01-06 00:43) 

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