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祝・創刊30周年 [メディア]

毎号読んでいる雑誌といえば、「本の雑誌」である。
5月号は、創刊30周年記念通常号。
記念なのに、通常なところがいいね。

思えば、この雑誌を読みはじめてかれこれ15年くらいたつ。(イヤ、もっとか?)
椎名誠が好きで読むようになったのだが、
目黒孝二や沢野ひとしたちを知ったのも、この雑誌だった。

仲の良い人たちとワイワイつくっている手作り感、
ミニコミ的な素朴感は今でもまったく変わらない。
読んだ本だけとりあげる、版元をヨイショする記事は書かない、
というスタイルをここまで貫いてきたことはやっぱりすごいと思う。
活版だった本誌も、今ではDTPになって、
洗練されてきた一方、少々味気なくなった感は否めないが、
コンテンツはいつも活きが良く、どれを読んでもおもしろい。
わざとらしくなくシャレが利いているところがいいんだ。
連載陣も豪華だよ。
目黒孝二、椎名誠、沢野ひとし、ローヤー木村はもちろん、
坪内祐三、永江朗、青山南たちの文章も読める。
私がいちばん参考にしているのは、藤田香織嬢の書評。
何にも影響されず真っ向から本を評する姿勢に胸を打たれる。
笑いのセンスを持ちあわせているところが、なお良し。
それから、青木るえかのエッセイもはずせない。
めちゃくちゃ面白いと私は思っているが、説明するものでもないので、
興味がある方は、ぜひ読んでください。

そして、いつも真っ先に読む「三角窓口」。
ま、読者の投稿欄なんだけど、皆さん文章を書くのがとっても上手。
中場利一も、ここの常連さんから作家になりましたね。

読んでくれる人がいるから、雑誌をつくる。
つくることが楽しいから、雑誌をつくる。
当たり前のことなんだけど、そういうことを感じさせてくれる雑誌が、
今はあまりにも少なすぎる。
考えてみれば、いま私が編集の仕事に携わっているのも、
本誌の影響が大きいと思う。
作り手がいちばん楽しんでいるのに(から?)
なんでこんなにおもしろいんだろ、チクショー!ってのが
はじめの印象だった。
40周年、50周年までずっと元気でいて欲しい雑誌である。
元気で笑える面白い書評誌なんて、ほかにはないから。


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北村浩子

lucksunさん、こんにちは。はじめまして。
友人が「books A to Z」のことが書いてあるよ、と教えてくれまして、
たどり着きました。
聴いて下さってほんとうにありがとうございます!
私も、本の雑誌、毎月読んでおります。
また、吉田秋生も大好きです(一番好きなのは「カリフォルニア物語です)。
lucksunさんの文章は(プロの方にこんなことを言うのは大変失礼なのですが)
リズムがあって、簡潔で、
更新されるのが楽しみです。
これからも読ませていただきます。
ありがとうございました。
by 北村浩子 (2005-04-15 17:01) 

lucksun

北村さん、はじめましてこんにちは!
うわー、このブログを読んでいただけたなんて、
すっごくうれしいです。
「books A to Z 」いつもほんとうに楽しみにしているんですよ。
朝、バタバタと支度をしながらもエフヨコしっかり聴いてます。
「books A to Z 」のサイトと「ヒロ★コラム」もチェックしています。
北村さんの文章好きです。
さりげない日常を鋭い視線で見つめて、
ときにはやさしく、ときには辛口に語っていらっしゃいますね。
私はプロなんて言うのも恥ずかしいくらいです。
仕事で書評やレビューを書いているので、
なるべくいろいろな人の読み方やリアクションを知りたくて、
このブログを始めてみました。
これからもぜひよろしくお願いします。
こんど、「books A to Z 」のサイトから感想メッセージ送ります。
by lucksun (2005-04-15 18:28) 

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