サイバラさん [マンガ]
最初に謝っておきます。
このマンガ、立ち読みで読破してしまいました。
そんなワケで買ってません。
でも、そのうち買います(たぶん)。
『上京ものがたり』 西原理恵子 著
サイバラさんのマンガに出会ったのは、
おそらく花田紀凱編集長の雑誌だったと思う。
私の中では、花田さんとサイバラさんはセットなんである。
あと、みうらじゅんもね。
なのでサイバラさんは、どちらかとお下劣、毒舌なマンガばかり
描いている人、という印象だった。
だが、『ぼくんち』を読んで、それだけではない
彼女の奥深さに触れた。
ごまかし笑いを続けながらも人の愛情を正面から受け止め、
自身のことを真剣に思うことができる人なんだと思う。
辛口な批判も、自分をさらけ出す勇気があるからこそできるのだろう。
自嘲的な笑いの中にも、シャープで深い視線が感じられる。
なかなか侮れん、この人。
『上京ものがたり』は彼女の上京当時の生活をエッセイ風に描いたものである。
エロ雑誌のカットを描いたりしながらも、
いつかは……!という野心を秘めて懸命に生きる姿に、
自分の甘さを猛烈に反省したくなってくる。
いい人も嫌な人もいるけれど、目標がはっきりあるから、
がんばれるのだという割り切りが、潔くていい。
立ち読みしていて、涙が出てきそうになって、困ってしまった。
おバカなフリをしていても、こんなマンガを描けるなんて、
もしかしたら天才なんじゃないだろうか。
マジメ一辺倒の人なんかより、ずっと説得力がある。
落ち込んでいる人に、ぜひ読んでもらいたいな。
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