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『黄色い目の魚』 [本]

『黄色い目の魚』 佐藤多佳子 著

これは児童文学のジャンルに入るのかな?
主人公が中学〜高校生までの時期を描いているということでいえば、
ヤングアダルトに入るのか?
完成度が高くて、その境目が分からない。
まず、人物描写の緻密さ、繊細な心理表現はもう、見事というしかないでしょう。
10代の時期の恋愛ってこんなにいろんな言葉で語れるんだ!っていう、
ものすごく新鮮な驚きに満ちている。
ものごとをまっすぐに見つめることのできる
純粋な魂をもつ木島とみのりは、
「絵」を通して出会い、しだいに惹かれあっていくのだが、
自分の気持ちになかなか気付かないんだ。
メディアを通して語られる現代の高校生の恋愛とはちょっとちがう。
というか、まったくちがうスローペース。
江ノ電沿線のゆったりした風景とシンクロして、
みずみずしくさわやかな映像が浮かんでくる。
10代の思いや考え方って、あまりにもかたくなで揺るぎない。
でも、それが本当なのかもしれない。
いちばん大切なのかも、と久しぶりに考えてしまいました。

いくつもの言葉が心に残った、とても読みごたえのある一冊。
著者のほかの作品も、こんど読んでみます。


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