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「バレエ・フォー・ライフ」 [舞台]



モーリス・ベジャール・バレエ団2008年日本公演
「バレエ・フォー・ライフ」

6/15(日) 東京文化会館

振付:モーリス・ベジャール
音楽:QUEEN、ウォルフガング・A・モーツァルト



このごろ更新が恐ろしく滞っているが、
理由はひとつじゃないから、書かない。
まあ、いろいろあるのだ。うんざりするほどな。


先日、モーリス・ベジャール・バレエ団による
「バレエ・フォー・ライフ」を観てきた。
この演目は、QUEENの音楽(あるいはフレディ・マーキュリー)を
テーマに、ベジャールが振り付けたものである。


QUEENを知ったのは、ちょうどフレディが亡くなる直前だったと思う。
ヒット曲は知っていたが、リアルタイムで聴いていたわけではなく
社会人になったころ、QUEEN好きの先輩から教えてもらったのだった。
美しい曲をつくる人たちだと思った。これはロックじゃないな、と思った。
ロックという枠を軽々と超えて、世にも美しいサウンドを生み出す。
こういう人を天才と呼ぶのだなあ、と思ったのだった。
それから何度となくQUEENの曲を聴くうちに、いつしか大好きになった。
だから今回の公演は、どうしても観たかったのだ。

「バレエ・フォー・ライフ」は、
自らエイズであることを公言したその直後に
はやばやと逝ってしまったフレディの生きた軌跡、ことに
音楽にかける情熱や、死を目前にしての絶望、そして
生きることの喜び、大切な人たちへの思いをQUEENの曲にのせてつづっている。



オープニングは、「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」。
新しい朝を迎えた喜びを表す、希望に満ちたダンス。
フレッシュでエネルギッシュで、爽快感にあふれていた。

つづくナンバーはいずれも、
力強い一方で内面を深く見つめた繊細な踊りを見せてくれた。
ソロ・ナンバーも群舞も、やはりベジャールの振り付けは面白い。
バレエとはいえ、その動きは不自然で奇妙だったりするが、
それこそがまさにベジャールのダンスなのだ。
ダンサーたちはみな枠にとらわれず、のびのびと踊っているように見えた。

圧巻だったのは、「Radio Ga Ga」と「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」。
ライブ音源を使っていたこともあり、
まるでライブ会場にいるかのような雰囲気を醸していた。
とくに、「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」は泣ける。
客席にマイクを渡して大合唱しているフレディの姿が
目の前に浮かんでくるようだった。
客席はあくまでもバレエを観にきた客ばかりなので、
まるでおとなしかったが、それが逆に不自然に思えてしまったほどだ。

さらに、フィルム「ブレイク・フリー」では、
フレディと同じく夭折したダンサー、ジョルジュ・ドンが
生きることに執着し、もがき苦しんだ彼の心情を壮絶な表していた。

そして、ステージは「ショー・マスト・ゴー・オン」で幕を閉じる。



音楽もダンスも主役である、すばらしい舞台だった。
時折フレディの叫ぶような歌声に、ぐっと胸をつかまれ泣けてきた。
ベジャールのフレディに対する愛情、
フレディが人々に惜しみなく与えた愛情と友情に満ち満ちていて、
あたたかく深い余韻がいつまでも残った。


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