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大人計画 「ドブの輝き」 [舞台]

大人計画 「ドブの輝き」
5/10(木)〜6/3(日) 下北沢本多劇場

どうせチケットなんて取れないさ、とあきらめていたところ
友人が取ってくれたので、5/13(日)、当日券にて鑑賞。
何の予備知識もなく行ったら3部作で、
しかもそのうち1本は映像作品ということに軽く驚いた。
演劇という枠を大胆にぶち破り、思いもかけぬ試みを見せてくれる。
そんな冒険心にあふれる劇団は好きだ。
今まさに勢いにのっているからこそ、できることなのかもしれない。

1本目は演劇作品「涙事件」(作・演出/宮藤官九郎)。

とある事件をめぐる法廷を舞台に、
裁判官や弁護士、検事、数々の証人、被告人たちが
騒々しい裁判を繰り広げる。
この劇団だから当然のことだが、登場する人物は変人ぞろいだ。
なかでもいちばんキテたのは、検事役の阿部サダヲ。
終始テンションの高さをキープしながら、徹底した変人ぶりを見せる。
舞台でサダヲを観たのは初めてだが、やはりテレビで観るのとは大違いだ。
この人の芝居は、役が現実離れすればするほど、
その良さが際立つのではないだろうか。
それから、意外な(?)見どころは池津祥子の美脚!
色っぽくてステキ☆でした。
松尾スズキが体調不良のため降板したのは、残念だったなあ。

2本目は映像作品「えっくす」(監督・脚本/井口 昇)

勢いにのって撮りまくったような、シュールでパワーみなぎる映像。
なんだかよくわからないんだけど、
お得意の小ネタ、下ネタ、笑いが満載で楽しい。
皆川猿時のアップが恐ろしかった……。

3本目は演劇作品「アイドルを探せ!」(作・演出/松尾スズキ)

自殺をしようと樹海にやってきた男、ワタナベが
そこに“落ちていた”ゴミたちに、
自殺を考えるに至ったいきさつを語って聞かせる。
さまざまな人物の事情や思惑が入り乱れ、
思いがけない結果へとつながっていくのだが……。
偽物だってまがい物だって、
人を楽しませることができれば、それでいいじゃん
というようなメッセージが聞こえてくるようだった。
アイドル・ツララ役の猫背椿が、おバカでカワイかった。
しかし、やはりどうしても目が追ってしまうのはサダヲと荒川良々。
もーう、この人たちの存在感ったらスゴイ。
おかしくてしょうもないのに、その力強い芝居に圧倒されてしまった。

一度に3本の作品を楽しめるお得感のある公演だ。
映像も含めて3作品を同時に見せるという仕掛けはなかなか興味深い。
全作品を通して感じたのは、
今できるすべてを見せてやる!という心意気と、
からだ全体から発する演技の力強さ。
役者全員がそれぞれの個性をこれでもかというくらい主張し、
ぶつかり合いながらもその相乗効果を綿密に計算して、
ひとつの作品を真剣につくりあげているように感じた。
本気だから楽しいんだと思う。
芝居、笑い、遊び、どれをとっても本気。
役を演じることにすべてを投げ出せる役者はほんとうにステキだ。
テンションの高さに頭ン中をシャッフルされながらも
観終わったあと、なんだか元気になる。こういう芝居っていいね。


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lucksun

kanonさん、わんこさん、nice!ありがとうございます♪
by lucksun (2007-05-19 21:23) 

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