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静嘉堂文庫美術館にて [アート]

いま住んでいるところは、
自転車で行ける距離に文化的な施設が多いことが気に入っている。
世田谷美術館、世田谷文学館、岡本太郎美術館だって
気が向いたらすぐに行ける。
静嘉堂文庫美術館も近いことはずっと知っていて、
時間があるときにゆっくり行こうと思っていたのだが、
いつでも行けるだろうという油断があって、
今まで行かずにいた。

そんな折に、曜変天目茶碗のブームである。
大阪は藤田美術館の長期リニューアルに伴い、
滋賀のMIHO MUSEUM 、奈良国立博物館、
世田谷の静嘉堂文庫美術館での3碗同時公開となり、
この機を逃さない手はないとばかりに出かけた。

世田谷はいまだに謎の土地だ。
そんな住宅地の一角にひっそりと存在する
静嘉堂文庫美術館のたたずまいに一目ぼれした。

岩崎小弥太が収集したという美術品の一角に
触れる喜びを心から感じる。

自然光を背景に、曜変天目茶碗は
さまざまな表情を見せてくれた。
釉のかけかたで、焼き物はこうも表情を変えるのか。
光の当て方で、こうも見え方が変わるのか。
と、短い時間のなかにも感情があふれ出る。
掌に収まるなかに、無限に広がる宇宙の片隅を観た。
芸術品が大好きで、後世に残そうとする一心で
私財を投じて保存活動をする財界人に敬意を感じる。

芸術品は個人的に愛でることにもそれは至福を感じるものであろうが、
大衆の目に触れる場所に開陳することで
そのすばらしさを改めて感じることができるものだ。

美術館が好きだ。
展示品はもとより建物のロケーションもいい。
静嘉堂文庫美術館はその双方を満足させる。

郊外だけれど、観る価値は充分にある。
最近は私設美術館に興味がある。

財を得た人々が、美術品にどんな価値を感じ得るのか。
そして保存された美術品が、後世にどんな意義を残すのか。

そうした功績を観るにつれ、幸せだな、と思う。

BRUTUS(ブルータス) 2019年5/1号No.891[曜変天目 宇宙でござる! ?]

BRUTUS(ブルータス) 2019年5/1号No.891[曜変天目 宇宙でござる! ?]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2019/04/15
  • メディア: 雑誌



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